Mobile Heroes

Takahiro Motegi by Takahiro Motegi | 6月 23, 2019

茂木孝浩さんは、モバイルマッチングサービスを提供している株式会社Diverseの執行役員(Chief Marketing Officer)で、2015年にDiverseに入社する前はソーシャルメディアネットワークのmixiで勤務していました。

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日本市場では、以前は出会い系とよばれるhookup的なwebサービスがほとんどでしたが、ここ数年でDatingサービスが増え、より一般的なユーザーが使用する機会が増えました。Diverseは18年ほど前からこの分野でサービスを展開していますが、直近ですと50−100ほどのマッチングアプリが日本では台頭しており、その中で友達や恋人、結婚相手など、様々な出会いを求めているユーザーに合わせたサービスを各社が提供しています。ちなみに、Diveseでは、カジュアルなdating、結婚を目的としたdating、若者(18-25歳)が使うdatingの3つのマッチングサービスを展開しています。

(コンセプトメイキングファースト)

そういった市場の中で自社のアプリをどのように魅力づけするか、他のアプリと差別化を図るかと考えることを新規獲得において最優先事項としています、これをDiverseではコンセプトメイキングファーストとして考えています。

日本のマーケットにおいて、マッチングサービスを複数同時に使うユーザーが多いのですが、例えばマッチングサービスを現在利用しているユーザーを大雑把にターゲットにした場合、そのユーザーが4つのアプリを同時に使っていたと考えて、1週間でアプリのアイコンをタップする確率をA:50%、B:30%、C:20%、D10%とします。このユーザーに新規のアプリとして使ってもらうために考えなければいけないことは、5つ目のアプリとしてインストールしてもらうことではなく(可処分時間は限られているで)、まずはDの代わりとして自社のアプリを使ってもいいかなと思わせることです。相対的にかつ代替可能なものとしてユーザーに魅力づけを行うことがコンセプトメイキングにおいての起点となります(初めてマッチングサービスを使う人向け、またはAの代替として魅力づけするための施策も考えることもありますが、それは獲得コストと実現可能度合いによってタスクの優先順位は変動します)。

上記を踏まえてアクションを行う際に、A-Dのアプリを調査はそれほど重要視しません。そのアプリを使う人の調査を綿密に行い、どういう趣味嗜好で普段どのように過ごしていて、どういった情報取得をしているかを調べた上で、どのような伝え方を実践すべきかを考えます。どれくらいのボリュームがいてどれくらいの獲得が狙えるかは、もちろんAppAnnieをはじめるとする各種ツールで数値の仮説立ては行いますが、それよりも大事なのは4つのマッチングサービスを使っていてまだ出会いを求めているユーザーに、自社のアプリを使うメリットをどのように表現できるかだと思っています。

日本の代理店文化とインハウス体制の重要性)

私がDiverseに入る前までのマーケティングは、マーケ担当がプランニングをして媒体ごとの予算を配分し、代理店に運用を全て任せ、レポートで管理するといった工程がほとんどでした。

ただ、自社のサービスと自社のユーザーに一番近い担当が多くの役割を担う方がより魅力づけを行えるのは当然の話なので、役割分担を見直してインハウスでの体制を整えてきました。他社でもその流れが進んでいるように見えます。自社で全てを行うのではなく、配分をどうしていくかがポイントかと思います。

(高まるインハウス需要とOODA(loop)

インハウス運用の経験が増え自社で数値コントロールできる領域が広がるということは、より不確実な事象に対面する機会が増えるということにもなります。これまでのマーケティング活動においては、PDCAのPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の 4段階を実施するのが一般的でしたが、それでは対応しきれない状況になってきています。そのため、状況に応じてどのように対応するかを毎時間単位で運用担当が考え、想定していた獲得シミレーションを変更してメディアへの費用配分やKPI(CPAや課金率、ARPUなど)に関して、運用者自身が柔軟に変更して目標へのプロセスを再考していくことが重要だと考えていまして、より即時判断を重視するOODAのObserve (観察)→ Orient (状況判断、方向づけ) Decide(意思決定)→ Act (行動)という4段階の考え方を取り入れています。