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2019年におけるユーザー
獲得の傾向と指標

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レポート

2019年におけるユーザー獲得の傾向と指標

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はじめに 

今年は、より多くの領域のユーザーが金融アプリに注目するようになり、世界的に成長するこの分野のアプリへの需要は新たな段階を迎えると見られます。一方で、新たに参入するプレイヤーも増え、2019年は競争も激化するでしょう。

活発な市場に身を置くマーケターには、自社キャンペーンに関する難しい決断をするためのデータと分析が必要です。「真の」オーディエンスは誰なのか?コンバージョンまで待つべき最大の期間はどれくらいなのか?広範なユーザーにリーチし、エンゲージメントを促す「絶好の時期」とは?Liftoffの2019年モバイル金融アプリレポートでは、カギとなるこうした疑問を考察します。

レポートは、2018年1月1日~12月31日までのLiftoffのデータを基にしています。データ範囲は、インプレッション数103億件(10,332,595,307)、インストール数270万件(2,752,690)、クリック数1億6,800万件(168,865,123)、アクティベーション/登録件数170万件(1,767,513)となっています。

レポートの主な内容は以下の通りです。

  • 様々な段階のエンゲージメント別、プラットフォーム別(iOS、Android)、ユーザーの属性(性別)別、地域(北米、EMEA、APAC)別のユーザー獲得コストとコンバージョン率を追跡します。
  • ユーザー獲得が最も良好だった月と、金融アプリをインストールしたユーザーが行動するまでにかかった正確な時間(時間・分ベース)を検証します。
  • モバイルマーケティングプラットフォームのLeanplumと提携し、アプリ内のユーザーリテンション(継続率)を検証し、平均セッション時間、次のアプリ起動までの経過時間、アクティブユーザーの割合、エンゲージメントに対するプッシュ通知の効果など、金融アプリのユーザーリテンションの指標を取り上げます。
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金融アプリのユーザー獲得コストとコンバージョン率 

あらゆる金融アプリ分析に基づく高度な検証

生活面で幅広くスマートフォン(スマホ)を活用する人が増えるなか、モバイル金融アプリは私たちの生活で重要な存在になっています。

こうした早い流れのなかで(そして、銀行やフィンテック企業がオーディエンス拡大とロイヤルティ向上でしのぎを削り、競争も激化するなか)、ファネルを通してコストは前年からやや上昇しています。

金融アプリの全体的なユーザー獲得コストとコンバージョン率

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  • 2018年の新規ユーザー獲得の平均コストは6.93ドルで、6.58ドルだった前年から5.32%上昇しています。ユーザーが登録完了に至るまでのコンバージョンの平均コストも小幅に上がり、前年の21.42ドルから25.73ドルになっています。
  • インストールから登録に至るまでの率は26.9%で、2017年(30.7%)を小幅に下回りました。ただ本レポートでカバーするコンバージョンは幅広く、クレジットスコア(信用情報)の審査を必要としないハードルの低いアクションだけでなく、入金または資金の預け入れやキャッシュカードのアクティベーション、取引開始などが必要なバリューの高いアクションも含みます。
  • インストールからアクティベーションに至るまでの率(18.7%)はやや高くなっています。アクションに至るユーザー獲得のコスト(37.05ドル)は前年の水準(34.62ドル)からわずかに上昇するにとどまりました(7%上昇)。
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性別による金融アプリのエンゲージメント比 

性別で比較

金融アプリのユーザー獲得コストとエンゲージメント率を検証したところ、女性の反応が上がっていることが分かりました。ただ、これにはコストも伴っています。

性別による金融アプリのエンゲージメント比較

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  • 女性ユーザー獲得のコストは7.08ドルで、前年比約33%上昇しています(前年は5.33ドル)。また、男性ユーザー獲得コストも3.4%上回っています。
  • 男性ユーザー獲得のコスト(6.85ドル)は2017年の水準を小幅に下回ります(6.95ドル)。
  • 登録に関しては、女性ユーザー獲得コスト(26.40ドル)が男性のコスト(24.04ドル)を上回っています。女性のインストールから登録に至る率は26.8%で、前年(23.2%)よりも3.6%高くなっており、また男性ユーザーとほぼ同じ水準となっています(28.5%)。
  • アクションにつながるユーザー獲得のコストは男女ともにほぼ同水準(男性が33.41ドル、女性が36.15ドル)。ただ、女性についてはエンゲージメント率が前年の13.9%から19.6%に跳ね上がっている点が目立ちます。
  • 総じて、男性に関してユーザー獲得のコストは2017年に比べて上がっているものの、依然として女性よりも低いままです。エンゲージメント率の比較に基づくと(男性は20.5%、女性は19.6%)、性別のギャップは縮まっているようです。
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プラットフォームによる金融アプリのエンゲ 

Android と iOSの傾向を比較

OS別にコストとコンバージョン率を比較すると、ファネルの段階が深まるにつれてコストが上がっています。Androidが端末の売り上げやアプリのダウンロードで世界的に基盤を強化するなか、Androidのユーザー獲得の競争が激化していることは明白です。

プラットフォームによる金融アプリのエンゲージメント比較

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  • プラットフォーム別のコストとコンバージョンを比較すると、iOSユーザーのコスト(8.58ドル)はAndroidの5.15 ドルに比べて安くはありません。ただ、リサーチによるとiOSユーザーは金銭的な余裕があるようで、同じアプリのAndroidユーザーに比べてより多くのアプリ内課金をする傾向があります
  • 登録完了に至るまでのユーザー獲得コストには大きな差は無いようですが(Androidが25.71ドル、iOSが25.75ドル)、エンゲージメント率は大きく異なります。特に、インストールから登録に至るまでの率はiOSユーザー(33.3%)がAndroidユーザー(20%)を13.3%上回っています。
  • ファネルの段階がさらに進んでアクティベーションまで行くと、iOSユーザーのコストは31.18ドルで、前年の37.40ドルより低くなっています。一方で、Androidユーザーのアクティベーションまでの獲得コストは大幅に上昇しています(2017年の31.83ドルから2018年は41.75ドルへ)。
  • 総じて、コンバージョン率はiOSの方が高くなっています。iOSユーザーのエンゲージメント率は(27.5%)、Androidユーザー(12.3%)を大幅に上回っています。
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地域による金融アプリエンゲージメント比較 

地域別で分析

モバイル金融アプリはいまや、世界的にデジタルエコノミーの中心的存在となっています。モバイルデータ・分析を提供するApp Annieによると、 モバイル金融アプリは飛躍的に拡大し、2018年のダウンロード数は34億件と、2016年から75%増加しています。記録的な伸びはアプリの普及だけでありません。多くの国で、ユーザーのエンゲージメントが大幅な伸びを示しています。

地域による金融アプリのインストール単価(CPI)比較

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世界全域:

金融アプリの利用が確立して競争が激化している成熟市場(特に北米)のユーザー獲得キャンペーンのコストは高くなっています。北米のコストは12.11ドルで、前年比でほぼ倍増しています(前年は6.58ドル)。一方で、ほかの地域のユーザー獲得コストは安定しています。APACではコストは横ばいの6.94ドルでした。EMEAではモバイル金融アプリが異なるスピードで普及しつつ良い方向に向かっており、ユーザー獲得コストは前年の2.49ドルからほぼ3倍に跳ね上がっています(6.88ドル)。

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地域による金融アプリの登録コスト、アクティベーションコスト、コンバージョン率

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APAC

登録:ファネル上のこの段階では、APACのユーザーのコストとコンバージョン率はウィンウィンの状況で、ユーザー獲得のコストは低く、エンゲージにも導きやすくなっています。登録までのユーザー獲得コストは20.67ドルと北米やEMEAと比べると最も低くなっています。また、2017年の27.81ドルからも大幅に低下しました。

アクティベーション:重要な段階のユーザー獲得コストですが49.47ドルは安いとは言えない水準です(さらに、前年の38.46ドルを28.63%上回っています)。エンゲージメント率がこれに見合うだけの高さならダウンサイドにはなりませんが、インストールからアクティベーションに至るまでの率はわずか14%となっています。

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EMEA

登録:コストとコンバージョンは「黄金の中間点」と言えるバランスにあります。登録完了に至るユーザー獲得のコストは26.51ドルで、APACよりは高く、北米は大幅に下回る水準です。インストールから登録に至る率も26%でちょうど中間に位置します。ただ前年に比べると(コストは47.54ドルと高く、一方でコンバージョン率はわずか5.2%でした)、モバイル金融アプリが勢いを増しているのは確かなようです。

アクティベーション:EMEAとAPACに特に共通性が見られます。50.62ドルのユーザー獲得コストは割高に感じるかもしれませんが、前年比では半減しています。インストールからアクティベーションに至るまでの率は13.6%と最も低く、APAC(14%)を下回ります。ただ、前年比では5倍になっています。

北米

登録:モバイル金融アプリが提供するバリューへの意識が高い北米のユーザーのコンバージョンは簡単ではありません(つまりコストは低くありません)。登録完了に至るユーザー獲得のコストは 46.86ドルで、前年の水準(21.08ドル)からほぼ倍増しました。一方、インストールから登録に至る率は25.8%で、ほかの地域と同じ くらいでしたが、前年比(31.2%)低下しました(31.2%)。

アクティベーション:この段階でのコスト43.91ドルは安くはありませんが、インストールからアクティベーションに至る率は27.6%で、ほかの地域に比べて最も高く、確実性があると言えます。

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月別の傾向 

季節性によるエンゲージメントへの影響

カレンダー暦でコストとコンバージョンを見ると、投じたコストに対して反応が大きくなる月がいくつかありました。

インストール

年間を通じてユーザー獲得コストはほぼ横ばいで、最も低いのは4月(5.20ドル)でした。前 年はコストが最低だったのは8月(5.89ドル)でした。

  • ユーザー獲得コストが最も高かったのは8月で8.24ドルでした。
  • ユーザーが夏季休暇の計画を始める(その予算も考え始める)5月(6.33ドル)と6月(6.06ドル)が、ユーザー獲 得コストが割安になった月でした。
  • 多くのユーザーが資金計画の設定を考えつつも新年について特にまだ何も決めていない段階の11月(6.39ドル)と12月(6.25ドル)はコストが割安で、チャンスが見られます。

金融アプリにおける平均インストール単価(CPI)の月別の推移

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登録

4月のコストが最も低くなりました(20.62ドル)。ただ、インストールからエンゲージメントに至るまでの率は25.2%で、活動の多く(広告展開も)が限られたユーザーの注意を引く上で競合していることがうかがえることから、かなりの割安感があるという状況ではありません。.

  • 登録ユーザー獲得コストは7月(27.45ドル)から10月(22.11ドル)にかけて徐々に低下しました。10月にはインストールから登録に至る率が35.8%の高い水準に達しました。10月は、低コストでユーザーを獲得して高レベルのエンゲージメントへとつなげるチャンスがかなり大きい月でした。
  • 年初の時期にユーザー獲得を狙うには、強いメッセージで明確な戦略を打ち出すことが重要です。コストが跳ね上がる時期で(2月は29.51ドル)、一方でエンゲージメント率は逆に低くなっています。
  • 米国ではタックスシーズン(確定申告シーズン)が終わってからの5月に、オーディエンスが改めて個人的な金融計画に興味を示し始めているようです。登録完了までのユーザー獲得コストは21.31ドルと低い一方でインストールからの登録率は約29.7%となっており、チャンスは大きいようです。

金融アプリにおける登録コストとコンバージョン率の月別の推移

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アクティベーション

この段階でのピークや底は、ユーザーが明確な目的を持ってモバイル金融アプリにエンゲージしている可能性が高い時期に(年初やタックスシーズン直前)、継続率が最も高くなる(そしてコストは最も低くなる)ことを示唆します。概して、モバイル金融アプリのエンゲージメントは一種のルーティン化し、季節の影響を受けにくくなっています。

  • カレンダー歴では1月(28.96ドル)から4月(25.35ドル)の期間が最もコストが低くなり、一方でインストールからアクティベーションに至る率は最も高くなりました(20%強で推移)。
  • 3月はコストが25.38ドル、インストールからアクティベーションに至る率が26.3%と、特に目立つ月にはなりませんでした。2月に29.33ドルの低コストでコンバージョン率が22.6%になった前年からの変化となりました。
  • 7月のコストは51.09ドルと高く、インストールからアクティベーションに至る率は15%の低水準でした。

金融アプリにおけるアクティベーションコストとコンバージョン率の月別の推移

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インストールから登録・アクティベーションまでの時間 

ユーザーが行動に移るまでにかかる時間を分析

Liftoffのデータを基にユーザーの一連の行動を分析します。カギとなるエンゲージメント(登録、アクティベーション)までの時間の流れに注目し、性別でエンゲージメントを比較します。

インストールから登録まで:

ユーザーがインストールから登録完了に至るまでかかる平均時間は5分47秒でした。前年(5分46秒)とほぼ変わらない結果となりました。最初の重要なイベントまで6秒を切る時間でユーザーが動いているのは、エンゲージメントのハードルの低さゆえかもしれませんし、あるいはマーケターの力量(キャンペーンも)によるものかもしれません。このあたりはデータから完全に推測するのは難しくなります。

インストールからアクティベーションに至るまでの時間:

まず、この段階でかかる時間に関してはタスクのレベルが反映される点に留意する必要があります。クレジットスコアの審査は瞬時に終わるかもしれませんが、最初の取引開始や銀行口座との接続にはより長い時間が必要になります。Liftoffのデータによると、アクティベーションまでの時間は32%短縮しました。ユーザーのモバイル金融アプリを使う意図がより明確になっていること、またはキャンペーンによるユーザーアクティビティへの効果が反映されていること、このどちらかあるいは両方が背景にあるようです。かかる時間は前年の1時間40分から1時間8分に低下しており、ポジティブな傾向です。

金融アプリにおけるインストールから登録、アクティベーションに至るまでの時間

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アプリ内での継続率 

Leanplumのアプリ関連データ(2018年1月1日~12月31日)からは、ユーザーの金融アプリへのエンゲージメントをより高め、良質にするための手がかりが得られます。

この分野のアプリのユーザーの継続率は相対的に高い傾向があり、金融アプリのマーケターは好スタートを切ることができます。ユーザーの1日目の継続率は、トラベル、エンタメ、ショッピング、出会い系、ゲームを含むほかの大半のアプリの分野より73%高くなっています。

日次の継続率の平均

Leanplumのデータでは、アプリのインストール後に戻ってくる新規ユーザーの数という定義で、日次の継続率の平均を検証しています。概して、金融アプリのリテンションは好調なスタートを切ります。1日目には34.8%のユーザーが継続しています。7日目には継続率が14.9%に落ちます。30日目は7.1%、60日目は4.7%、90日目は3.4%と推移します。

金融アプリの全体的なユーザー継続率

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良好な数字ですが、アプリマーケターはこれを伸ばす取り組みをするように求められるものです。Leanplumは、2つの方面からのアプローチを提案しています。まずは、オンボーディング・チュートリアル(アプリの使い方を体験してもらうガイド)で、新規ユーザーに一般的な機能を紹介します。その後、新機能追加の度にプッシュ通知やeメール、アプリ内メッセージをユーザーに発信します。

プラットフォーム別の継続率

世界的に主流のプラットフォームはAndroidかもしれませんが、プラットフォーム別でリテンションを検証するとiOSよりも定着度が劣ることが分かりました。1日目の継続率はAndroidが33.6%で(iOSは32.2%)、好スタートを切りますが、やがて低下します。7日目までにはiOSが15.1%、Androidが13.9%で継続率は逆転します。

金融アプリにおけるプラットフォーム別のユーザー継続率

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この傾向は90日目まで続いて、僅差ですがiOSの方が定着度が高いという結果にな りました。

Leanplumは、次のセッションにユーザーが戻ってくるまでの時間(アプリに戻ってくるまでの時間)をユーザー再訪までの時間と定義してその平均を分析しています。総じて、金融アプリユーザーがアプリに戻ってくるまでの時間は平均7.6日でした。プラットフォーム別では大きな差が見られました。ユーザーの再訪までの平均時間はiOSが7.1日で、Androidユーザーはこれより1日長い8.2日となっています。

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金融アプリにおけるユーザー歴別・プラットフォーム別のセッション間のユーザー再訪までの日数

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セグメント別でデータを分析すると、興味深いユーザー行動の特徴が浮き彫りになりました。

  • アプリをインストールしてから90日間(12週間)経過している新規ユーザーのアプリ再訪までの平均時間はわずか4.1日でした。こうしたユーザーはエンゲージメントが強く、すぐにアプリに戻ってくる傾向があると考えられます。
  • アプリをインストールして経過した期間が最大1年のユーザーのアプリ再訪までの時間はほぼ倍の平均9.3日になりました。
  • アプリをインストールして経過した期間が1年以上の長期ユーザーの再訪までの時間は平均8.5日となりました。

インストール後に経過した期間で分けて分析した場合、35週まではアプリ再訪までの時間が長期化していきますが、その後は短くなり、やがて横ばいになります。ユーザーが求めるバリューが備わっているモバイル金融アプリですが、ユーザーの利用頻度を上げるには施策が必要ということのようです。キャンペーンや機能追加など、利用頻度を上げるためのマーケターの取り組みが試されるところです。

週次のセッション数

ここでもユーザーが新規の状態に近いほどアクティブだという結果になりました。インストール後1週間のユーザーのセッション数は週次5.6セッションでした。ただ、インストールから経過した期間が長くなるにつれて回数は減り、最終的には横ばいになります。

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金融アプリにおけるユーザー歴別・プラットフォーム別の週次のセッション数

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地域別の継続率

地域別にリテンションのデータを分析すると、興味深い共通性や差異性が明らかになりました。新規ユーザーは全ての地域において高い継続率でスタートしています。7日目になると継続率は変化し、EMEAは32.6%から18.1%に低下しますが、ほかの地域よりも水準が高くなっています。

金融アプリの地域別ユーザー継続率

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90日目になると、スタート時はほかの地域より継続率が低めだったEMEAのユーザーリテンションの息の長さが際立ってきます。EMEAの90日目の継続率は最も高く(9.6%)、一方でAPACが最低になっています(4.2%)。

チャネル別の継続率

金融アプリのプッシュ通知開封率は平均15.8%です。なお、全てのカテゴリーのアプリの平均は7.0%となっています。通知のうちどれだけがトランザクション、スケジュール、あるいはトリガーによるものなのかは本レポートでの分析対象外ではありますが、ユーザーがプッシュ通知に反応するという結論に達するのは妥当でしょう。プロモーション、トランザクション、スケジュール、メッセージの間でプッシュ通知のバランスをうまく保つことがマーケターにとっては重要です。また、ユーザーの期待を満たせるような関連性の高いものにするため、ユーザーの金銭的環境や動向に合わせてコミュニケーションをカスタマイズする必要があります。

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Liftoffは、パフォーマンスベースでモバイルアプリマーケティングとリターゲティングの最適化を提供するプラットフォームです。インストール後のユーザーデータを使用して、アクション単価でユーザーの獲得とリターゲティングを実現するキャンペーンを展開します。先進的な機械学習と類似ターゲティング機能により、Liftoffのキャンペーンは、インストール後にホテル予約、レストラン予約、サブスクリプション更新などのアクションを促進するように最適化されています。Liftoff

のアクション単価モデルでは、収益性のあるイベンを活発に消費するユーザーを獲得して顧客基盤を拡大することが可能になります。Liftoffは米カリフォルニア州パロアルトを拠点にニューヨーク、ロンドン、シンガポール、東京、パリにもオフィスを展開し、世界をリードするアプリのパブリッシャーやブランドと共にビジネスを展開しています。

www.liftoff.io

leanplum

Leanplumはモバイルのエンゲージメント最適化のプラットフォームで、Grab、Tinder、Tescoのような先進的な考えを持つブランドが顧客のリアルタイムのニーズに応えられるようにサポートをしています。データを基にユーザーのニーズを理解したうえで、テストで検証済みの関連性の高い総合的な体験をタイムリーに提供し、ビジネスの成長を加速させるような顧客のロイヤリティを醸成するサポートをします。米カリフォルニア州サンフランシスコで生まれた

Leanplumは、北米、欧州、アジアにも拠点を広げています。シリコンバレーの大手ベンチャーキャピタルから9,800万ドル超の資金を調達しています。米フォーチュン誌で、最も働きやすい企業、そして起業家が選ぶ最も起業家精神の高い米国企業に選出されています。広報資料や企業情報については弊社ホームページをご覧ください。

www.leanplum.com