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複数サービスや役割を経験したからこそ「現状をあえて疑う」。パフォーマンスマーケティングにも活用できる本質思考

by 米原 宏明 氏 | 11月 28, 2021

米原氏のキャリアとバックグランドについて

米原氏は、2007年に株式会社マイナビに入社しました。新規開拓営業を経験した後、商品企画に異動。転職に関するイベントなどを企画・運用し、その際にウェブマーケティングなどのプロモーションを経験。その後宣伝部門に異動し、大型TVCMの企画などのマスマーケティングや、その他Webの会員登録者数を増やすための施策などにも携わりました。さらに、マイナビ転職のコンテンツマーケティングやSNS運用も経験。現在は、オンラインマーケティングでのユーザー獲得全般が主な業務です。

米原氏のインタビュー記事については、こちらをご覧ください。

 

株式会社マイナビについて

株式会社マイナビは、人々の人生や暮らしのインフラになることを目的に、国内最大級の人材情報サービスを中心に、大学・短大・専門学校の進路情報や、企業向けの研修サービス、結婚式準備の総合情報までも提供しています。

就職情報サイトにおいては国内最大級の強みを生かし、医療・介護系資格者や、税理士、会計士、新卒者向けなどに細分化されており、幅広いニーズや時代の変化による採用状況に対応しています。

 

1. KPIが正しいか疑う

2007年にマイナビに入社し、新規開拓営業や商品企画、コンテツマーケティングなど様々な部署を経験する中で現状を疑う癖がつきました。
まずは今やっていることを吸収した上で、それが正しいか疑ってみることが大切です。

特にKPIを見直すことを意識しています。着任してから2回ほどKPIを変更しています、その結果サイト側での最重要指標を何度も過去最高の数字を出すことができました。

転職ビジネスではユーザーが満足すると、サイトから卒業します。
そのため、新規ユーザーを獲得し続けなければならないという点もあります。新しいユーザーが増えれば、新しい応募者が増えます。
そうすると、サイトに掲載している企業もマッチングが増えることにもつながります。

同じ枠の中でPDCAを回すことで、5%や10%といった小さな改善はできますが、改善できる幅は限定的です。一方で、それが一番よいとされているやり方や、施策を疑ってみて、やり方を全部変えれば、プラス100%を目指すことも可能だと考えています。

 

2. 事業特性を考慮した媒体選び

転職ビジネスは転職に成功したユーザーが卒業していく特徴があります。常に新規ユーザーを獲得し続けなければなりません。
その意味では、リターゲティングよりは上位ファネルにアプローチするためのSNSやディスプレイを中心に配信しています。
配信の在庫が大きく、ニーズが顕在化する前のユーザーにアプローチできる媒体は、常に探しています。代理店さんからも情報をどんどん提供してもらうようにしています。

また、マイナビにとってのクライアントは求人を掲載してくれている企業であり、登録後に実際に応募に繋がらなくては意味がありません。

そのため、新規獲得後のユーザー残存率や応募に繋がる割合も媒体別に見ています。FacebookやTwitterはクリエイティブ次第で登録後の行動が大きく変わってくることもわかりました。 特にSNSのアプリ広告は動画などの手法活用で大きく獲得効率が改善し大幅に投下額と獲得が伸長できました。

このように、事業にとって重要な、新規獲得とその後の残存率や応募率をどちらも注視しながら、最適な媒体の組み合わせや、Web、アプリの振り分けも考えています。

 

3. 求職者の悩みに向き合ったクリエイティブづくり

表示内容を少し変えるだけといった表面的なクリエイティブの改善でもパフォーマンスを上げることはできますが、改善できる幅は限定的です。
同業のサービスが複数ある中で、マイナビを選んでもらう理由を作るために、何を伝える必要があるかというクリエイティブの根本を考える必要があります。
人の悩みと向き合って、マイナビを使った方が良いということをしっかりと伝えるようなクリエイティブでないと、爆発的な成長は生まれないと思います。

調査をしたところ、転職サービスを利用しはじめた段階のユーザーの7〜8割は、「今の仕事を続けたくないけど、したい仕事はまだ分からない」状態という結果が出ました。 特に、若手の求職者は「今の仕事に不満があるけど、何を解決したらよいか分からない、自分に何ができるか分からない」と感じていることがわかりました。

そのような悩みに対して役に立つ情報を発信していく、そして、実際にサービスを利用してもらえるように、クリエイティブに落とし込んでいくことをチームの重要な役割として考えています。 代理店さんにも、その目線を揃えられるように今後の労働市場の動きや、ユーザーインサイト、過去のクリエイティブの評価など必要な情報は共有し続けるようにしています。

 

まとめ

本当に現在の取り組みがよいのかと考え続けることと、何を伝えたら受け手が喜んでくれるかという2つのこと考えながら回していくことが重要だと思います。
媒体の細かいチューニングや、ビジネス側の事情で「こうしなくてはいけない」というのは、サービスを利用する方には関係ありません。
本当にその人に役に立つものは何なのか考え続けることが重要です。

また、昔から続いている習慣であっても本当にそれが正しいのかを疑うことが重要だと思います。
気づいたらずっと同じことをやり続けているというのは危険な状態だと考えています。